目次
ポストポリオ症候群とは?
ポストポリオ症候群(post-polio syndrome)とは、小児期にポリオ(急性灰白髄炎)を経験した人が、数十年を経て再び筋力低下や倦怠感、関節痛、呼吸障害などを呈する状態です。既に神経がダメージを受けていた部位に、時間の経過とともにさらなる負荷がかかることで、新たな障害が出現したり、過去の障害が悪化したりします。
代表的な症状には以下のようなものがあります:
- 手足の筋力低下・麻痺の進行
- 慢性的な疲労・易疲労性
- 筋肉痛・関節痛
- 呼吸筋の障害による呼吸困難
- 歩行困難や転倒リスクの増加
これらの症状が日常生活に影響している場合、障害年金の対象となる可能性があります。
障害年金とは?
障害年金は、病気やけがによって日常生活や労働に制限がある方に支給される年金です。ポストポリオ症候群も、後天的な病状悪化として受給の対象となります。特にすでにポリオにより障害がある方が、加齢や時間の経過とともに状態が悪化していく場合、新たに申請できるケースがあります。
ポストポリオ症候群で障害年金を受給するための条件
初診日の考え方がポイント
ポストポリオ症候群は、数十年前のポリオ感染が起点となるため、「初診日はいつか?」が複雑なポイントです。
以下の2パターンがあります:
パターン①:初回のポリオ発症を初診日とする場合(20歳前障害)
- 小児期にポリオを発症した場合、「20歳前障害」として扱われる可能性があります。
- この場合、保険料納付要件は不要で、障害基礎年金の対象になります。
パターン②:ポストポリオ症候群の症状が出た時点を初診日とする場合
- 過去にポリオで障害等級に該当していなかった人が、新たに筋力低下や麻痺の悪化が見られるようになった場合、再発的な新たな障害として扱うこともあります。
- この場合は、その時点で年金に加入しており、保険料要件を満たしていることが必要です。
※どちらの扱いになるかは、症状の経過や申請内容により異なります。専門家の判断が必要な重要ポイントです。
障害等級の目安
ポストポリオ症候群では、主に「肢体の障害」または「呼吸器障害」として等級が判断されます。
肢体の障害としての等級
- 1級:両下肢や両上肢の機能がほぼ全廃で、常時介助が必要な状態。
- 2級:片側上下肢に著しい障害があり、日常生活が著しく制限される。
- 3級(厚生年金加入者のみ):中程度の麻痺や筋力低下で、労働に支障がある状態。
呼吸機能の障害としての等級(必要に応じて)
- 慢性的な呼吸困難や在宅酸素療法の導入がある場合は、「呼吸器の障害」としても等級評価の対象になります。
申請時の注意点
診断書の記載がカギ
- 使用するのは「肢体の障害用診断書」が一般的です。
- 麻痺や筋力低下の程度、日常生活でどのような支障があるかを具体的に記載してもらうことが重要です。
- また、症状が時間の経過とともに悪化していること、既存の障害が再び問題になっていることも明確に伝えましょう。
「○○できる」ではなく「○○ができない」を正確に伝える
審査では、できることよりも「どれだけできないか」「生活でどれだけ困っているか」が判断材料です。
たとえば、
- 段差がある場所で転倒しやすく、1人で外出できない
- 短距離の歩行も疲労が強く、休憩なしでは困難
- 通勤ができず、就労を断念している
といった具体的な状況を申立書や診断書に反映させる必要があります。
社会保険労務士に相談するメリット
ポストポリオ症候群による障害年金申請は、「初診日の扱い」や「既存障害との関連性」など、非常に高度な判断が必要です。誤った申請方法を取ると、本来受け取れるはずの年金が不支給になるリスクもあります。
社会保険労務士に相談することで、
- 適切な初診日の整理
- 必要な診断書の選定と記載アドバイス
- 過去の資料の発掘支援(母子手帳・通院歴など)
- 日常生活の支障を正確に伝える申立書作成
など、的確かつ実務的なサポートが受けられます。
まとめ
ポストポリオ症候群は、発症から数十年経ってから症状が再び現れるという特徴があるため、障害年金申請に特有の難しさがあります。しかし、症状が生活に支障を与えている場合には、障害年金を受給できる可能性は十分にあります。
申請で重要なのは、正しい初診日の整理と、実態に即した診断書・申立書の作成です。不安や疑問がある方は、まずは障害年金の専門家に相談し、受給への一歩を踏み出しましょう。
障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の1つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度です。障害者のための特別な手当と勘違いされている人もいますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。
障害年金はきちんと保険料を納めている方の権利ですので、
障害年金を受け取っていないということは、65歳になっても年金を受け取っていないようなものです。
障害年金を受け取れる方は必ず申請することをお勧めいたします。
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いろいろな傷病を併発している場合など、実に様々な症状があります。
自分で判断できない場合は、専門家にご相談ください。
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社労士に依頼するメリット
①労力
体調が悪い方、働いている方にとっては障害年金の申請はなかなか大変な作業です。
社労士に依頼することで治療に専念できます。
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自分で申請すると半年ほど申請にかかってしまう場合もあります。
プロなら約3カ月で申請が可能です。
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