目次
多発性硬化症とは
多発性硬化症は、脳や脊髄などの中枢神経系に炎症が生じ、神経の信号伝達が障害される疾患です。
この疾患は、再発と寛解を繰り返す「再発寛解型」と症状が徐々に進行する「進行型」に分類されます。具体的な症状としては以下のようなものがあります。
視覚障害(視力低下や二重視など)
筋力低下や麻痺
感覚異常(しびれや痛み)
バランス感覚の低下や歩行困難
認知機能の低下や疲労感
これらの症状は日常生活や就労に大きな影響を及ぼすことがあります。
障害年金とは
障害年金は、病気やけがによる障害が日常生活や就労に重大な制限を及ぼす場合に支給される公的年金です。
多発性硬化症のような進行性の疾患でも、適切な要件を満たせば受給することができます。障害年金には以下の種類があります。
障害基礎年金: 国民年金に加入している人が対象
障害厚生年金: 厚生年金に加入している人が対象
これらの年金は、等級(1級、2級、3級)に応じて支給額が異なります。
多発性硬化症で障害年金を受給するための条件
障害年金を受給するには、以下の条件を満たす必要があります。
初診日要件
初診日とは、障害の原因となる多発性硬化症で初めて医師の診療を受けた日を指します。この日が国民年金や厚生年金の被保険者期間内であることが必要です。
障害認定日要件
初診日から1年6カ月を経過した日、またはその間に症状が固定化した日が障害認定日となります。この日またはそれ以降に定められた障害等級に該当していることが条件です。
保険料納付要件
初診日の前日時点で、被保険者期間中の保険料納付率が3分の2以上であること。または初診日の前日において、初診日がある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がないことも条件として認められます。
多発性硬化症における障害認定基準
多発性硬化症では、日常生活への支障や就労状況が等級判定の基準となります。具体的には以下のように区分されます。
1級: 他人の介助なしではほとんど日常生活を送れない状態。
2級: 他人の介助を必要としないが、日常生活が極めて困難な状態。
3級(厚生年金のみ): 労働が著しい制限を受ける状態。
これらの等級は、医師の診断書や日常生活状況報告書を基に判定されます。
受給できる障害年金の種類と金額
障害基礎年金と障害厚生年金の違いは、対象者や支給金額にあります。令和6年4月時点の金額は以下の通りです。
障害基礎年金
1級: 約102万円 + 子の加算
2級: 約81万円 + 子の加算
障害厚生年金
1級: 報酬比例額 × 1.25 + 配偶者加給(約23万円)
2級: 報酬比例額 + 配偶者加給
3級: 最低保証額 約61万円
申請手続きの流れと必要書類
障害年金の申請は、次の手順で進めます。
初診日を証明する書類の準備
医療機関の診療記録や紹介状が有効です。
医師の診断書の取得
症状や日常生活への影響を正確に記載してもらう必要があります。
日常生活状況報告書の作成
家族や職場でのサポート状況など、具体的な生活の様子を記載します。
申請書の提出
年金事務所や自治体窓口で申請を行います。
多発性硬化症で障害年金を申請する際の注意点
障害年金を申請する際には、事前の準備やポイントを押さえることが非常に重要です。特に多発性硬化症のように症状が多岐にわたる場合、慎重に取り組む必要があります。以下の点に留意してください。
・症状の具体的な記載
医師に診断書を依頼する際、単に「困難がある」と伝えるだけでは不十分です。日常生活で具体的にどのような困難があるかを詳しく伝えることが重要です。
例えば、「階段の昇り降りができない」「1日の大半をベッドで過ごしている」「視力の低下で文字を認識するのが難しい」など、できる限り細かく説明しましょう。
医師が状況を正確に把握することで、診断書に反映される内容が具体的かつ適切になります。
・記録の保存
診療記録や検査結果、処方箋、紹介状など、医療機関で発行された書類はすべて保管しておきましょう。これらの記録は初診日の証明や障害の状態を裏付ける重要な証拠となります。
また、診療を受けた医療機関が閉院した場合でも、これらの記録があれば証明が可能となる場合があります。さらに、症状の変化や進行を示すために、自分自身で簡単な日記をつけるのも効果的です。
・早めの準備
障害年金の申請には、多くの時間と手間がかかります。必要な書類を収集するのにも時間がかかるため、余裕を持ったスケジュールで準備を進めましょう。
特に初診日を証明する書類や診断書の作成には時間を要することがあるため、早めに医療機関に依頼することをおすすめします。
また、必要書類を集める際、役所や年金事務所での確認事項が発生することもあるため、事前に問い合わせて必要な情報を揃えておくとスムーズです。
・正確な情報の提供
申請書類には、自分の病状や生活状況を正確に記載する必要があります。症状が軽く見えるような記載をしてしまうと、審査で不利になる可能性があります。
そのため、主観的な評価ではなく、具体的なエピソードや状況を記載することを心掛けましょう。
専門家に相談するメリット
障害年金の申請は、要件が複雑で、提出書類の作成にも多くの専門的な知識が求められます。こうした手続きを専門家に相談することで、次のようなメリットが得られます。
必要書類の収集や作成のアドバイス
障害年金の申請には初診日を証明する書類や医師の診断書など、正確な書類が必要です。社会保険労務士は、どの書類が必要であるかを適切にアドバイスしてくれます。
また、記載内容の確認や、不備がないようにするための助言も行います。
手続きの進行管理
申請には期限がある場合があり、進行状況の管理が重要です。専門家は、手続きの各段階で必要なアクションを指示し、スムーズに進むようサポートしてくれます。
書類不備による申請却下の防止
申請書類に不備があると、申請が却下されるだけでなく、再申請に時間がかかり、受給開始が遅れる可能性があります。専門家に依頼することで、書類が正確かつ適切に作成され、却下のリスクを減らすことができます。
不安や疑問の解消
初めての申請では、不明点や不安を感じることも多いですが、専門家が相談に乗ることで、安心して手続きを進めることができます。専門的な知識に基づく助言を受けることで、心強いサポートを得られます。
多発性硬化症による障害年金の申請は、専門家の支援を受けることで、より確実に受給を目指すことができます。迷ったときは、ぜひ社会保険労務士に相談してみてください。
まとめ
多発性硬化症による障害年金の申請は、要件や手続きが複雑ですが、適切な準備と支援により受給が可能です。お困りの際は、社会保険労務士や年金事務所に相談し、安心して申請を進めてください。
障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の1つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度です。障害者のための特別な手当と勘違いされている人もいますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。
障害年金はきちんと保険料を納めている方の権利ですので、
障害年金を受け取っていないということは、65歳になっても年金を受け取っていないようなものです。
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いろいろな傷病を併発している場合など、実に様々な症状があります。
自分で判断できない場合は、専門家にご相談ください。
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社労士に依頼するメリット
①労力
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社労士に依頼することで治療に専念できます。
②スピード
自分で申請すると半年ほど申請にかかってしまう場合もあります。
プロなら約3カ月で申請が可能です。
受給できるタイミングがその分早くなります。
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