目次
障害年金の遡及請求とは
障害年金の「遡及請求」とは、障害認定日までさかのぼって年金の支給を受ける請求方法です。通常の申請では、申請月の翌月分からの支給となりますが、遡及請求が認められると最大で過去5年分の年金を一括で受け取れる可能性があります。
うつ病や統合失調症、脳梗塞などの傷病では、通院や治療が長期に及ぶことが多く、障害認定日から長い期間が経過してから申請されるケースも少なくありません。そうした場合に、遡及請求という選択肢が出てきます。
遡及請求をするための条件とは
遡及請求を行うには、以下の3つの条件を満たす必要があります。
- 初診日が特定できること
- 障害認定日時点での診断書が取得できること
- 障害認定日時点で障害等級に該当していたこと
とくに重要なのが、障害認定日(初診日から1年6か月後など)においての状態を証明できる診断書の有無です。これは過去のものになるため、医療機関に記録が残っていない場合や、医師が記入を断るケースもあり、ハードルが高くなりがちです。
遡及請求が難しい主な理由
1. 過去の診断書の取得が難しい
障害認定日の診断書を後から取得するには、医師に当時の記録をもとに記載してもらう必要がありますが、記録が残っていなかったり、診療内容が曖昧だったりすると診断書の作成自体が断られることもあります。
2. 医療機関が閉院していることがある
特に初診から時間が経過している場合、医療機関がすでに閉院しているケースもあり、初診日の証明や診断書の取得が困難になります。
3. 記憶や資料に頼らざるを得ないケース
本人や家族の記憶、古い領収書、紹介状などから初診日や通院歴を追うこともありますが、公的な証明として不十分とされることもあるため、審査で不利になることも少なくありません。
遡及請求が認められやすい傷病とは
以下のような傷病では、症状や治療の経過が記録に残りやすく、遡及請求が比較的スムーズな傾向にあります。
- 人工透析(透析開始日が明確)
- 人工関節や人工肛門の設置手術(手術日が明確)
- 脳梗塞による麻痺など明確な後遺症(診断日・発症日が特定可能)
これらは医療的なエビデンスが明確で、診断書の取得もしやすいため、遡及請求の可能性が高くなります。
精神疾患や難治性の傷病は要注意
一方で、精神疾患(うつ病、統合失調症など)や糖尿病、リウマチといった進行性の病気は、症状が時間とともに変化するため、障害認定日時点の状態が不明瞭になりがちです。とくに精神疾患では、「一時的な回復」が認定時点にあった場合、遡及が難しくなる傾向があります。
専門家に相談することの重要性
遡及請求は非常に複雑で、診断書の取得交渉や初診日の特定、医療記録の精査など、専門的な知識が求められます。経験のある社会保険労務士に依頼することで、
- 必要書類の収集サポート
- 医療機関への依頼書作成
- 年金機構への適切な申立て
などの支援を受けられ、遡及請求が通る可能性を大きく高めることができます。
障害年金の遡及請求を検討中の方へ
もし「もっと早く申請していれば…」という思いがあるなら、遡及請求ができるかもしれません。とはいえ、手続きには専門的な判断や緻密な準備が欠かせません。不安な方は、ぜひ障害年金の実務に精通した社会保険労務士にご相談ください。
まとめ
障害年金の遡及請求は、条件を満たせば過去にさかのぼって年金を受け取れる大きなチャンスです。しかし、診断書の取得や初診日の証明など、一般の方には難しいハードルも多くあります。まずは信頼できる専門家に相談し、自分が遡及請求の対象となるかどうかを確認するところから始めましょう。
障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の1つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度です。障害者のための特別な手当と勘違いされている人もいますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。
障害年金はきちんと保険料を納めている方の権利ですので、
障害年金を受け取っていないということは、65歳になっても年金を受け取っていないようなものです。
障害年金を受け取れる方は必ず申請することをお勧めいたします。
障害年金の基礎知識についてはこちら
障害年金でもらえる金額についてはこちら
対象となる傷病について
障害年金を受け取れるかどうか知りたい方は「かんたん!受給判定」をご利用ください。

いろいろな傷病を併発している場合など、実に様々な症状があります。
自分で判断できない場合は、専門家にご相談ください。
当事務所に相談するメリット
当事務所では、障害年金の無料相談を実施しております。
お電話での相談や、実際にお会いしての面談までは完全無料でご対応いたします。
障害年金の申請について、不安な方はお気軽にお問い合わせください。
また、有料での障害年金の申請代行も承っております。
ご自身での申請が難しい方は当事務所の申請代行サポートをご利用ください。
申請代行を依頼する際のサポート費用はこちら
社労士に依頼するメリット
①労力
体調が悪い方、働いている方にとっては障害年金の申請はなかなか大変な作業です。
社労士に依頼することで治療に専念できます。
②スピード
自分で申請すると半年ほど申請にかかってしまう場合もあります。
プロなら約3カ月で申請が可能です。
受給できるタイミングがその分早くなります。
➂受給可能性
障害年金の申請にはいくつかハードルがあり、本来受給できる方が不支給になってしまうことも…
プロならそのハードルを乗り越えることもできます。

Lineでのご相談
Lineでのご相談も承っていおります。お気軽にお問い合わせください。
かんたん!無料受給判定
この記事を書いた人

-
当サイトをご覧いただきありがとうございます。当事務所は広島県福山市を中心に、県内全域を対象として、障害年金の申請サポートを行っております。(※相談は全国対応です。)
障害年金について少しでも疑問、質問、不安のある方の相談にのり、「相談して良かった」「やるべきことが明確になった」と、相談後には気持ちが前向きに、軽くなれる様、耳を傾け、アドバイスすることを心掛けております。サポート依頼をするかどうかは後で決めれば良いです。まずはお気軽に相談ください。一緒に考え、解決していきましょう!
- 5月 25, 2025障害年金の遡及請求とは?難しさや申請のポイント、可能性の高い傷病を紹介!
- 5月 24, 2025膠原病で障害年金は受給できる?対象となる病気と受給条件、等級の基準を解説
- 5月 23, 2025障害年金に税金はかかる?課税・非課税のルールと注意点をわかりやすく解説
- 5月 22, 2025凝固因子欠乏症で障害年金は受給できる?等級や申請時のポイントを解説