大腿骨の骨折で人工骨頭を入れた方は、障害年金の対象になることがあります
転んで足の付け根を骨折し、手術で人工骨頭を入れた。そのような方は、障害年金の対象になることがあります。国の認定基準では、股関節に人工骨頭や人工関節を入れた場合、原則として障害等級3級にあたるとされています。
「年金は老後にもらうもの」と思われがちですが、障害年金は現役世代でも受け取れる年金です。骨折の直後は、手術やリハビリのことで手いっぱいになり、制度を知らないまま過ごしてしまいがちです。
ただし、誰でも対象になるわけではありません。いちばん大きな分かれ目は、骨折で初めて病院にかかった日に、厚生年金に加入していたかどうかです。
大腿骨の骨折と、手術の種類
大腿骨は太ももの骨です。足の付け根の部分で折れる骨折は、折れた場所によって大きく2つに分けられます。股関節の中で折れる「頸部(けいぶ)骨折」と、それより少し膝に近い、関節の外で折れる「転子部(てんしぶ)骨折」です。関節の中で折れた場合は、骨がつきにくいとされています。
手術には、主に次の3つがあります。どの手術になるかは、骨折の場所やずれ方、年齢などから主治医が決めます。
- 骨接合術(こつせつごうじゅつ):ボルトやプレートなどの金属で、折れた骨をつなぐ手術
- 人工骨頭置換術:大腿骨の先端の丸い部分(骨頭)を、人工のものに取り替える手術
- 人工股関節全置換術:骨頭と、骨盤側の受け皿の両方を、人工のものに取り替える手術
手術の種類によって、扱いが変わります
人工骨頭・人工股関節を入れた場合
原則として3級にあたります。片側だけでも対象です。手術後の経過がよく、歩けるようになっていても、人工骨頭や人工関節を入れていること自体で判断されます。
手術をしても歩行や日常生活に大きな支障が残っている場合は、2級以上と認定されることがあります。
骨をつなぐ手術(骨接合術)の場合
ボルトやプレートで骨をつないだだけの場合は、金属を入れたこと自体では3級になりません。手術後に、股関節の動く範囲や筋力がどのくらい残っているか、歩く・立ち上がる・階段を上り下りするといった動作がどのくらいできるかで、一人ひとり判断されます。回復の程度によっては、対象にならないこともあります。
骨をつなぐ手術のあと、骨がうまくつかなかったり、骨頭がつぶれてきたりして、あらためて人工骨頭や人工関節に入れ替えることがあります。その場合は、入れ替えた時点から原則3級の扱いになります。
いちばん大事なのは、骨折した日に加入していた年金です
3級は、障害厚生年金にしかない等級です。そのため、初診日に厚生年金に加入していたことが必要です。初診日とは、そのけがや病気で初めて医療機関を受診した日のことです。
長い年月をかけて進む病気と違い、けがの場合は初診日がはっきりしています。多くの場合、骨折して病院にかかった日が初診日です。
対象になりやすい方
骨折した日に、会社員や公務員として厚生年金に加入していた方です。パートや再雇用で働いている方も、厚生年金に加入していれば同じです。決め手は「骨折した日」ですので、そのあと退職していても対象になり得ます。
対象になりにくい方
骨折した日に、自営業や専業主婦などで国民年金だけに加入していた方は、人工骨頭を入れただけでは対象になりません。国民年金には3級がないためです。すでに退職して年金を受けておられる高齢の方の骨折も、同じ理由で対象にならないことが多くなります。
ただし、2級以上にあたる重い状態が残っている場合は、対象になることがあります。
保険料の納付も条件です
初診日の前日の時点で、次のどちらかを満たしている必要があります。
- 初診日の前々月までの加入期間のうち、3分の2以上の期間で保険料を納めている(免除を含む)
- 初診日の前々月までの直近1年間に未納がない
手術の日から、待たずに請求できます
障害年金は、原則として初診日から1年6か月が経った日(障害認定日)から請求できます。
人工骨頭や人工関節には特例があります。初診日から1年6か月が経つ前に入れた場合は、手術で入れた日が障害認定日になります。骨折の手術は、けがのあと早い時期に行われることが多いため、多くの方がこの特例に当てはまります。1年6か月を待つ必要はありません。
手術から年数が経っている方も、過去の分をさかのぼって請求できることがあります。さかのぼれるのは、時効により直近5年分までです。
骨をつなぐ手術のあと、初診日から1年6か月を過ぎてから人工骨頭や人工関節に入れ替えた場合は、請求した月の翌月分から受け取ることになります。早めの確認をおすすめします。
受け取れる金額の目安
障害厚生年金3級の金額は、厚生年金に加入していた期間と、その間の給与の額によって一人ひとり異なります。3級には最低保障額があり、年額でおよそ60万円台となっています(金額は年度ごとに改定されます)。
障害年金は非課税です。また、3級には働いていることや収入による支給制限は原則としてありません。条件や手続きの流れは、人工関節(股関節・膝関節)で障害年金はもらえる?のコラムで詳しくご説明しています。
65歳が近い方へ
障害年金には、65歳を境にした決まりがあります。
- あとから請求する方法(事後重症請求)は、65歳の誕生日の前々日までに手続きをする必要があります。
- 老齢年金を繰り上げて受け取り始めると、そのあとは事後重症請求ができなくなります。
- 65歳からは、障害厚生年金3級と老齢年金の両方を受け取ることはできません。どちらかを選ぶことになります。
どちらを選ぶとよいかは、金額や税金の扱いによって人ごとに違います。老齢年金の繰り上げを考えている方は、手続きの前に一度ご確認ください。老齢年金との選び方は、障害年金と老齢年金、どっちを選ぶべき?違いや併給の可否、選択時のポイントを解説でもご説明しています。
仕事中・通勤中のけが、交通事故の場合
仕事中や通勤中の骨折であれば、労災保険の対象になります。労災保険と障害年金は別の制度で、両方の対象になり得ます。ただし、同じけがで両方を受け取る場合は、金額の調整があります。詳しくは労災による障害で障害年金はもらえる?をご覧ください。
交通事故など、相手のいる事故による骨折でも、障害年金の対象になり得ます。相手方から賠償を受けた場合は、障害年金が一定の期間、支給されないことがあります。詳しくは交通事故でも障害年金は受給可能?をご覧ください。
よくあるご質問
親が骨折して人工骨頭を入れました。家族が相談してもよいですか?
はい、ご家族からのご相談も承っています。まず確かめたいのは、骨折した日にご本人が厚生年金に加入していたかどうかです。お勤め中の骨折であれば、対象になる可能性があります。
仕事に復帰しています。働きながらでも受け取れますか?
受け取れます。人工骨頭や人工関節による3級は、入れていること自体で判断されます。
まだリハビリ中です。請求できますか?
人工骨頭や人工関節を入れた方は、手術で入れた日が障害認定日になるため、リハビリの途中でも請求できます。骨をつなぐ手術だけの方は、原則として初診日から1年6か月が経ってからの状態で判断されます。あわせてリハビリ中で障害年金の申請をご検討の方へもご覧ください。
骨粗しょう症で通院していました。初診日はいつになりますか?
転倒などのけがによる骨折は、骨折で受診した日が初診日になるのが基本です。以前からの病気との関係は、受診の記録をもとに個別に確かめる必要があります。
身体障害者手帳を持っていません。対象になりますか?
なります。障害年金と身体障害者手帳は別の制度で、審査も別々に行われます。手帳がなくても、手帳の等級にかかわらず、請求できます。
人工関節のご相談事例
大腿骨の骨折の事例ではありませんが、同じ「原則3級」の扱いになる、人工関節の事例をご紹介します。
まずは30秒の無料診断でご確認ください
人工骨頭や人工関節を入れた方は、ご自身が対象になりそうかどうかを、3つの質問に答えるだけの無料診断で確認できます。選ぶだけで、文字の入力は必要ありません。
骨をつなぐ手術だけの方や、ご家族からのご相談は、お電話(0120-267-262)でも承っています。広島駅から徒歩5分の事務所のほか、福山市での無料相談会、オンラインでのご相談にも対応しています。
障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の1つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度です。障害者のための特別な手当と勘違いされている人もいますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。
障害年金はきちんと保険料を納めている方の権利ですので、
障害年金を受け取っていないということは、65歳になっても年金を受け取っていないようなものです。
障害年金を受け取れる方は必ず申請することをお勧めいたします。
障害年金の基礎知識についてはこちら
障害年金でもらえる金額についてはこちら
対象となる傷病について
障害年金を受け取れるかどうか知りたい方は「かんたん!受給判定」をご利用ください。

いろいろな傷病を併発している場合など、実に様々な症状があります。
自分で判断できない場合は、専門家にご相談ください。
当事務所に相談するメリット
当事務所では、障害年金の無料相談を実施しております。
お電話での相談や、実際にお会いしての面談までは完全無料でご対応いたします。
障害年金の申請について、不安な方はお気軽にお問い合わせください。
また、有料での障害年金の申請代行も承っております。
ご自身での申請が難しい方は広島市にある当事務所の申請代行サポートをご利用ください。
申請代行を依頼する際のサポート費用はこちら
社労士に依頼するメリット
①労力
体調が悪い方、働いている方にとっては障害年金の申請はなかなか大変な作業です。
社労士に依頼することで治療に専念できます。
②スピード
自分で申請すると半年ほど申請にかかってしまう場合もあります。
プロなら約3カ月で申請が可能です。
受給できるタイミングがその分早くなります。
➂受給可能性
障害年金の申請にはいくつかハードルがあり、本来受給できる方が不支給になってしまうことも…
プロならそのハードルを乗り越えることもできます。

Lineでのご相談
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かんたん!無料受給判定
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